代表挨拶

2023年4月に城谷典保前理事長の後任として、日本サルコペニア・悪液質・消耗性疾患研究会の第2代理事長を拝命いたしました。そして研究会はこの度、2024年7月より、日本カヘキシア・サルコペニア学会(JACS)と団体名を変更し、学会として更なる飛躍を目指すことになりました。理事長として、身の引き締まる思いです。

 前身の日本サルコペニア・悪液質・消耗性疾患研究会は、サルコペニアや悪液質などの骨格筋量、体蛋白量が減少する病態への関心が高まる中で、多領域、多職種の研究者や臨床家が交流できる場として発足しました。超高齢化社会の日本では、サルコペニアの概念が急速に認知されましたが、炎症を伴う慢性疾患関連性低栄養である悪液質については、医療者間での認識が低く、対応が不十分な状況です。悪液質は世界的にも“unmet needs”の代表的な病態とされ、The Society on Sarcopenia, Cachexia and Wasting Disordersが設立され、認知度の向上と研究・教育の発展に努めています。

 日本カヘキシア・サルコペニア学会となった今、さらなる発展を目指し、日本やアジアにおける悪液質の概念の普及、診断の確立、早期対応の啓発を使命とし、海外の学術団体と交流しつつ活動を続けていきたいと考えております。本学会が担うミッションは、多くの方々のご協力なしには成し遂げられません。理事、監事、評議員、会員の皆さまと力を合わせて取り組んでいく所存です。学会の発展に皆様のご支援とご協力を心よりお願い申し上げます。

代表理事

一般社団法人日本カヘキシア・サルコペニア学会
(愛知医科大学医学部大学院医学研究科 緩和・支持医療学 愛知医科大学病院 緩和ケアセンター 教授)
理事長 森 直治